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2005年02月23日

第2話 飛行機にて(1996年夏)

 きっと私たちのように、南インド旅行中にモルディブに向かう旅行者は、他にもいるのだろうと思っていた。ところが、である。モルディブの首都マーレに向かう飛行機の中には旅行者らしき人はいなかった。日本人がいないというだけではなく、西洋人も皆無。見渡す限り、インド系の人々なのだ。しかも皆一様に大きな荷物を持っている。テレビなどの電化製品が段ボールに入っていて、それを機内持ち込みしているのだ。それはなかなか楽しい光景だったのだが……

 飛行機の中では、インド映画のダンスシーンを集めた映像を延々と上映していた。それはわたしも大好きなので、楽しんで見ていた。
 インド映画をご覧になったことのある方は御存じだろうが、インド映画のダンスシーンはなかなか面白い。主役カップルの後ろでたくさんの人々が踊る。衣装も次々と変わり、場所も変わる。しかも、ノリのよい歌に合わせて10分くらい続くこともあり、なかなか見ごたえがあるのだ。
 そのダンスシーン、役者さんたちは大真面目なのだが、見ているわたしからすると爆笑してしまうような奇天烈な表現も多くある。例えば、日本でもヒットした『ムトゥ 踊るマハラジャ』という映画のダンスシーンでは、ヒロインをシタールにみたてて主人公が彼女の身体に手をそわせる、などというなにげに色っぽいのだがおかしいシーンがあったりする。

 さて、そこで流れていたダンスシーンにももちろん笑える場面が多々あり、わたしと友人Kは爆笑していた。

 ところが。

 まわりのインド人は誰も笑っていないのである。みんな真剣な表情をして画面を見つめている。わたしたちは少し衝撃を受けてしまった…… なんでみんな笑わないの? これが国民性の違いなのか?? しかし、インドの映画館では映画を見ながら爆笑したり、騒いだりと、楽しんで映画を見るとの噂であるが……

 謎は謎のままである。

written by ユエ : 2005年02月23日 00:00

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