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2005年01月15日
第三話『しろくろ』
今の土地の裏に住み着いている猫家族の話は第二話で書いたけれど、この土地に引っ越してきて一番最初にお知り合いになったのは、白黒柄のメス猫だった。
うちから400~500メートルぐらい離れたところにあるコンビニの前で、ぽつんとたたずんでいた彼女は、当時で多分2歳ぐらい。とても人懐っこくて、おとなしい猫だった。
彼女を見たときにまず目を引いたのが、白と黒のバランスのよさ。
白黒柄の猫は、結構、黒の配分が多くてバットマンのようになっていたり、白の部分が多くて、目の上の黒い模様がまことちゃんカットみたいに見える子が多いけれど、彼女の場合はなんともいえず絶妙にホルスタインなのだ。
周囲の人によると、この子はもともとは飼い猫だったらしいのだけれど、その家の猫があまりに増えてしまったので、野良にしてしまったということだ。
言われてみれば、確かに人なれしていておとなしい。明らかに飼われたことのある猫ちゃんという感じだ。しかも病気すらした様子がないから、予防注射をきちんと受けていたのだろうと思うし、聞いたところによると避妊手術までしてあるそうだ。
そこまで大事にしておいてなんで……と、割り切れない思いを抱いてしまったのは私たち夫婦だけではなく、周囲の人たちはみな一様に「なんでこんないい子を捨てるかねえ」「増やす前に、まずは今いる猫じゃないのねぇ」と言っているそうだ。
しばらくしてから、この子の名前は「チョロ」だということがわかった。近辺の人たちにかなりかわいがられているようで、通り過ぎる人たちが必ず「チョロ、チョロ」と声をかけていく。その多くが、必ずご飯をあげていく。野良にはなったけれども、この子は、野良の中でもかなりいい方の生活をしているのかもしれないと思ってしまった。食べ方もおっとりだし、好きなときに食べるという感じだ。
そして、私たちも例に漏れず、ご飯を持ち歩いては「チョロ」にあげるようになった。ただどうも、チョロという名前だけは呼びづらく慣れないので、最初に呼び始めたときの名前でもある「しろくろ」のまま呼び続けているのだけれど、さすが彼女は賢い。しろくろ、と呼んでも駆け寄ってくる。すっかり仲良しになってしまった。
周囲の猫とはあまりうまくやっていないようだ。
というか、しろくろはどうも「猫なんか嫌いよ」の女王様タイプの猫みたいで、近くに猫がいると、ものすごく怒る。食べていたご飯も途中で止めてしまう。みんながしろくろにご飯をあげるので、そのおこぼれに預かろうとした野良が、一気に3匹増えたことがあった。そのときのしろくろといったらいつもご機嫌斜め。しゃーしゃーいってばかりだった。
その3匹の野良のうち、2匹は白黒柄、1匹は茶シマ柄だった。このあたりは白黒人口(猫口?)がとても多い。この子たちの話題もいずれ……書き留めておこうと思う。
最初に会ってから、もう4年ほどたつけれど、しろくろはいまだに健在だ。寿命が短いといわれる野良にしては、かなり健康的で元気がいい。まだまだ何年もいけそうな勢いだ。毛づやも手触りも最高にいいし、食欲もある。いつもビッグサイズ生缶をペロリと平らげる。
わがままで猫嫌いな我が家の1人息子「ねこにゃん」がもっと、おおらかな猫だったら、いつでも連れて帰るのに……と思う今日このごろ。
投稿者 らくーん : 2005年01月15日 06:32
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