« マニフェスト | メイン | メタボリックシンドローム »

2006年3月

おめでた婚

「できちゃった結婚」(最近は略して「でき婚」なんて言うらしい)という言葉がほぼ定着してきたと思ったら、新たな呼び方が。
それが「おめでた婚」。意味は、「でき婚」同様、結婚する前に妊娠したカップルの結婚、である。
既にそれを表す言葉があるのに、新たな呼び方が登場したのには、実は理由がある。
 
昔は、「結婚前なのにふしだらな!」と眉をひそめられ、世間の目を気にしてひっそり結婚、といったイメージだった「でき婚」。
ところが最近は、なんと4組に1組がこれなんだそうだ。
なんでこうなったか、と言うと、それだけ性が乱れてる、というのもあるが、何より「妊娠でもしないと結婚に踏み切れない」という人が増えたのかもしれない。独身が居心地のいい時代なのかもしれないなぁ。
 
それだけ「でき婚」の人が増えると、結婚する方も祝う方もオープン化していく。昔はあまり褒められた話ではなかった「でき婚」を容認する方へと、社会が(それ以上にブライダル業界が)傾く。
それに伴い、名称問題が浮上した。
「できちゃった」という響きは、なんとなく事故めいたものがある。そんな筈じゃなかった、的ニュアンスが残っているし、やはり昔からのイメージを引きずってる部分も多々ある。
そこで、イメージ一新を狙って登場したのが「おめでた婚」だ。
妊娠のことを「おめでた」と言うし、結婚はめでたい。めでたいこと尽くしだぞ、ということで「おめでた婚」。なるほど。確かにそうかも。
 
ただ、個人的には、この言葉には疑問を感じる。
「でき婚」が「おめでた婚」になるケースというのは、男女双方結婚を望んでおり、いずれ子供も欲しいね、と思っていたところに、嬉しい誤算で早めに子供ができてしまった、というケースだけだろう。
結婚する気のない相手に子供ができ、「責任取って結婚してよ」となるケースは、めでたい、ではなく、諦める、に近い気がする。
 
現在の「でき婚」カップル中、本当に「おめでた婚」なカップルがどの程度を占めているかは、私にもわからない。
夫婦になる覚悟も、親になる覚悟もないまま、責任問題で誕生する家族が増えるのは、あまりいいことではない。実際、離婚率が高く、子供がいる分不幸は大きい。それを容認し、安易な妊娠を助長させるような「おめでた婚」という呼び名は、こうしたケースには使いたくない。
しかし、望んでいた妊娠の結果であれば、「でき婚」という言い方は、本人も、祝う側もやっぱり嫌だ。
もっと他に、いい呼び名はないだろうか。
 


 
「めでたいケースと責任問題のケースで、呼び名を分けるってのはどうでしょう」
「それはまずいよ。世間に“責任取らされました”と宣言するようなもんじゃないか。誰もそんな名称、使わないよ」
「しかし、本当にめでたいカップルについては、旧来の“できちゃった結婚”は、ちょっと……」
「“ハプニング婚”は?」
「いやー、なんかの間違い、って感じがして、嫌だなぁ」
「“アクシデント婚”……違うな。もっとまずいよな」
「でも、男にとっては、それが本音ですよ」
「妊娠と結婚の順序が逆になったから、“逆さ婚”とか」
「なんのことかわからないよ、それじゃ」
「もっとニュートラルな言葉がいいんじゃないかな」
「めでたさも、悲壮なムードもない言葉か」
「“マタニティ婚”は?」
「お、いいね、それ」
「いや、ちょっと待って下さい。男女平等社会なんですから、妊婦にばかりスポットライトが当たるのは、どうかと思います。新郎は飾り物ですか?」
「飾り物だろう、実際」
「それを言ったら身も蓋もないよ」
「しかし、確かにそうだな。それに、何も妊娠したことをわざわざ名称としてあからさまに出す理由など、本当はないかもしれないなぁ」
「でも、それとなく“普通の順序じゃない結婚”であることは、名前として出したいじゃないですか。婉曲というか、比喩というか……」
「そうだなぁ。“おめでた婚プラン”という、妊婦向け披露宴プランを出している立場からすれば、新婦が妊娠中かどうかは非常に重要だしなぁ」
「「「うーん……」」」
 
 
命名。
『サプライズド婚』

(びっくり“させられた”の意の“ド”がポイント)
 
定着の予想:ほぼ0%

コメント

コメントしてください




保存しますか?