| −会話の心理学−
たとえば何となく体の不調を感じて、ひょっとしたら自分は悪い病気かもしれないと勝手に悩んでいたのに、お医者さまから「なんともありませんよ。夏バテですね」と言われたとたん、ケロっと治ってしまって元気になるというケースはよくあります。
言葉は本当に薬にもなり、毒にもなります。ちょっとした言葉の毒も蓄積していけば人をも殺すほどなのです。「いじめ自殺」などという痛ましいニュースもありました。また毎日毎日「おまえは何をやってもだめだ」「だめだ」と言われ続けたら、その人は本当に自信をなくしてだめになってしまいます。
人間を健康にしたり、能力をのばしたり、病気にしたり、ひどいときは自殺にまで追いやるほどの力を言葉はもっているのです。人に好かれる人は人を傷つける言葉をあまり使いません。言葉の持つ心理作用を理解して使っているのかもしれませんね。
−終わり良ければすべて良し−プラスとマイナスの順番−
「あのお店は高いけれど美味しい」
「あのお店は美味しいけれど高い」
言っている内容は、同じことなのに、前者のほうがお店のイメージはいいですね。良いことを強調したい時は良いことを一番最後に言います。一番最後にきた言葉がもっとも印象度が高くなるといわれています。印象に残したいことは最後に言ってみてください。
誰かに対して怒るとき、さんざん悪いことを言ったまま終わってしまうと、相手も不愉快なまま終わってしまいます。ムっとしていると、相手の言っていることはよかってはいても聞く気にならない、気分が悪い、だいたいあの人はいつでもゴチャゴチャうるさいんだから・・・・・・と、逆恨みになってしまうことさえあります。
「本当に気をつけてよ。あなたは時間さえ守れば仕事はできるし、人気者なんだからね」とひと言最後に良いことを言ってあげると、「はい、今後気をつけます」と、どこか救われるものです。人を怒ることはあっても良いと思います。ただ大切なのは、どこかに救いの部分を残してあげることです。
もの言いで、徹底的に相手を追いつめてしまう人は、自分にも厳しいかもしれませんし、言っていることは正しいのかもしれませんが、人の信頼を受けることは難しく、友達も少なく、孤独な人が多いようです。同じことを言っても、あの人とこの人とでは、なんとなく印象が違うということがあります。人から嫌われない、言っても相手が怒らないというタイプの人の言い方にはどこかに優しさがあり、いわば言葉の中に体温を感じるような人です。それはテクニックではないのでしょうが、せめて、一番最後に厳しいことを言いっぱなしにするのではなく、言葉の終わりに何か救いになるプラスのことを言ってあげることを心掛けましょう。 |